Thursday, January 21, 2010

急患

いやあ、まいったまいった。この時期に高熱を出して寝込むとは・・・・・・。
どうせいつもの扁桃腺の腫れからくる熱だろう、とたかをくくっていたのだが、どうにもこうにも治らない。熱が下がってもすぐにぶりかえす。
もしやこれは流行りのインフルエンザか?

ということで、昨日の夜中、ついに病院に行ってきた。熱は38度5分。きつかったわ。1時過ぎだというのに、老若男女問わず、患者さんっているものなのね。明らかに座られることを拒否しているかのような、かた~い椅子で、40分以上は待たされた。

しかし、救急病院って何てドラマティックなんでしょう。私のいた場所は自分で受付する気力もあるくらいの人達だけだったので、地味な分リアリティがあった。ピーポーピーポー、バタンッ、ダダダダッ。っていうのとはわけが違う。

DVカップルの登場にまずびっくり。違うかもしれないが、おそらくそう。ヤンキー系の男女で、女は顔を腫らし、傷をつくり、ぼろぼろに泣いている。男はあたふた困り果て・・・・・・。何が原因か知りませんが、あの光景を見せられちゃうと暴力はいけませんな、としか言えん。謎の出血男も非常に気になった。頬が深くえぐられ、タオルで押さえてもとめどなく溢れ出る血。事故か、喧嘩か?ちらっと見えた財布に並ぶすごそうなカード達も気になる要因だった。

私は悪趣味ながら考えた。あの傷は素手で殴られてできたものではない。だとしたらバイクか何かで事故ったのか?いやいや、彼はコートも手袋もなしのスーツ姿。バイクには乗らんだろう。だとしたら車か?しかし、どうやって事故に遭えば車に乗っていてあんな傷が出来る?ただ転んだにしては洋服にほこりひとつついていないのは変だ。
何か鋭利な物で切り付けられたか?だが、あの傷はえぐり取られたって感じだった。うーむ。
考えているうちに、私より後から来た彼は私より早く診察室に消えていた。大量の血痕を残して。そうこうするうちに私も呼ばれた。鼻に麺棒つっこまれたり、血を抜かれたりしてきた。あまりにもいろいろ検査されたので「謎の病気では」と結果が出るまで気が気でなかった。

それでまあ、とりあえず検査の結果が出て、インフルエンザでも謎の病気でもなく、ただの風邪だってことが判明し、体も少し楽になったような。ほっとした気分でタクシーに乗り込んだ。が、運転手さんがおしゃべりでまいった。以前の私なら無視していたところだが、最近はタクシーの運転手さんの話には拾えそうなネタがたまにあることに気が付いたので、昨日もかなりつらかったが我慢して聞いていた。私も体調が良くなってくると「都内で事故が多いのってどのあたりなんですか?」なんて聞いたもんだから、運転手さんの喋り魂に火がついてしまったようだ。数分のうちに事故多発地帯、覆面パトカー多発地帯、タクシー運転手としての心構え、将来の夢などを、べらべらべらべらべらべらべらべら・・・・・・話しまくった。

確かに参考になる話もあることはあった。しかし、今だから言いますが、運転手さん、あの「告白」はいかがなものかと。本気で怖いと思いましたからねえ。
「告白」と言っても愛の告白なんかじゃありませんよ。話が途切れた後、彼はいきなりこう切り出した。

「お客さん。実はあたし・・・・・・」私は続きを聞くために身構えたよ。運転手は続けた。「実はあたし、事故ったことがあるんですよ。居眠り運転ってやつですね。今日と同じ曜日、同じくらいの時間帯でしてね。あたしんとこじゃ5時までしか働けないものでして、今の時間っていうのはどうしても気が緩むんですよ。あの時も、前日一睡もしないで会社のコンペに出席しましてね、あたしは信用されているドライバーだったから、その後の仕事も許可してもらえたんですよ。しかし、さすがに眠くって・・・・・・。ああ、これじゃいけないと思ったんですが、気がついたら前の車にガッシャンですよ」

それからというものの、彼は8時間睡眠を徹底しているらしいが・・・・・・。ただでさえ寒気がするのに鳥肌立ったよ。「あたし、ナルコレプシーで・・・・・・」と言われるよりは怖くないが、以前乗ったワンカップ大関の空き瓶を堂々と車内に置いている酒臭い運ちゃんの次くらいにぞっとした。

もっとぞっとしたのは、完全に火の消えていない煙草を車の窓からぽい捨てしていたパトカー。悪いが一生話のタネにさせてもらいます。

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