Thursday, January 21, 2010

あじごのみ

いりこもグリーンピースも中途半端に甘じょっぱい味のおかきも、単品では全く魅力を感じない。どちらかというと嫌いなほうであり、口にふくみたいなどとは到底思えない。

豆なんて、どちらかというと嫌いなほうである――どころか、大嫌いなのに。
だって豆を食べた後って、まるで3日も磨いていないみたいに、歯の表面がざっらざらになるんだもの。奥歯にこびりつくカスがまた薄気味悪い感触で・・・・・・考えただけでも、胃の奥から酸っぱいものがこみ上げてくるわよ。

それが・・・・・・だ。何故に「味ごのみ」という商品名となって袋に入っていると、食べても食べてももっと欲しくなる魅力的な存在になってしまうのだろう。
不思議で、不思議で不思議である。

「味ごのみ」の楽しみ方は人の数だけ存在するだろう。

私の場合、丸く、ピリ辛く、表面にきざみ海苔をまぶしてあるものと、イカっぽい味のおかきを1つづつ噛み(2~3回かな)うまい具合に味が混ざってきたところd、いりこを一匹仲間に入れてやる――という食べ方が最も気に入っている。

あのピリ辛おかきだけなら、腹がすいている時ならば単品で食べてもいい。したがって「味ごのみ」の中でも1番の好物だ。ひいきしていると言っても誇張した表現にならないと自負している。
丸く膨れ上がり、赤ら顔で、あたかも酔っ払っているか怒っているかのような(その両方と言ったほうがいいかもしれない)佇まい!魅力的ではないだろうか!?

人間に例えるなら、背は小さく、ももひきにはらまき姿、禿げあがった頭に外仕事と長年の飲酒の習慣から、赤黒さの定着してしまった顔色の、べらんめい口調で荒っぽいが、情にもろい、江戸っ子男性といったところだろう。
酒と博打と演歌が好きで、かかあにゃ頭が上がらない。
安っぽい漫画でもう何十年も昔から使い古されたような、でも実際にはなかなか居ないであろう人間像。

イカっぽい味のおかきは、大人しく、どちらかといえば文化系の、眼鏡をかけた高校生男子。
いりこは、細くて小柄で、顔立ちは整っているのに、化粧っ気のなさや、ぼさぼさの頭、家事やパートで疲れた顔から、実年齢よりずっと老けて(醜く)見える女性。

この3人は家族だ。きっとそうだ。
だから口の中で一体となった時、あんなに相性がいいのだ。
裕福ではないが幸せそうな家族を丸のみにするという、こうやって表現すると恐ろしく残虐な行為に、いけない気持ちよさを感じてしまう。

「味ごのみ」は私(だけ)にとっては禁断の味であり、だからこそこれほど強く心惹かれる菓子になり得たのだろう。

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