Thursday, January 21, 2010

 ホストクラブ観光記

たかが五千円。ううん。

されど五千円。うううん。

何と言っても五千円、だ!

これだけチャージしたスイカならば贅沢品であり、図書カードだったらあげるのに最もふさわしい額であり、クレンジングだったら1、5カ月は愛用でき、食事だったら私にしてみれば目の玉が飛び出るほど(昼食だったらな)豪華なものが食べられる額。
それが五千円。

決して「どんな男がタイプなの?」

「最近観た映画かあ。『レッド・クリフ』かな。女の人はあんまり好きじゃないっていうけど・・・・・・。泣けるのだったら『ショーシャンクの空に』がお勧め。『パッション』?あれはタブーに挑んだよね」

「へえ。0型なんだ~。実は面倒くさがりだとか?0型っていいよね。自分も0型なんすけど・・・・・・」

なんつー会話をして終わらせるべきではないと思うのだ。

しかし、いくつかの気まぐれと多大なる好奇心が、私に通常では考えられない五千円の遣わせ方をしてしまった。
何が言いたいかって?
つまり、初めてホストクラブというものに足を踏み入れてみたってことだ。

むろん、観光が目的だ。

私は決して社交的なタイプではないし、思いやりにかけるところだってある。
そして、何よりケチだ。
安いとは言えない金額を払った場所でまで、大人ならではの対応をすることはできないようだ。

きんきらきんに自分を飾り立てた、鳥みたいな髪形のお兄ちゃん達に対し、私は注文が多過ぎた、と今となっては後悔しないでもない。

「恋愛には興味がないんです。その話はしたくありません」

「お笑い?何が流行っているのか全く知りません」

「ほとんどテレビは見ないし、最近のオリコンがどうなっているかもわかりません」

「趣味は読書ですが、推理小説はそれほど読みません。好みが偏っているんです」

「アルコールは好きではありません。煙草も吸いません。寒いので氷りもいりません。お茶だけをもらえますか?」

「ため口をきかれるのって嫌いなんです。こちらがお金を払っている場合には尚更。いらいらするのでやめていただけますか?」

「別に笑わせようとしなくたって結構ですよ。笑いを求めてここに来たんじゃありませんから」

終始無表情で私はこんな言葉を吐いていた。

我ながら、なんて嫌な客だろう。もしも自分が逆の立場だったら「だったら来るんじゃねえよ!!!」と陰口をたたいたことだろう。

だが、私がせっかく店のシステムや客層の話をしようとしても、恋愛や血液型や占いやお笑いのことばかり話してこようとされちゃあ、こっちだって強硬な態度に出る以外道はない。

ホストクラブかぁ。想像していたものとはだいぶ違っていたな。
客の大半は眼鏡にチェーンのついているようなマダムで、チーク・タイムがあり、会話の中に時々フランス語が入るようなホストが、髪をかき上げまくったり、胸に手を当てながら跪いたりするものであってほしい。
そんな期待でいっぱいだったのに。

レースつきのYシャツを着た人を見る事ができたのはたいへん貴重な経験になったのだが。
何より面倒だったのは、接客してくれるお兄ちゃんがころころころころ入れ代わるから、面白くもない話を毎回毎回、最初っから話し直さなくてはいけないことだ。
いい加減嫌気がさしてきたので、指名でもしようかと思ったくらいだ。
が、指名したくなるほど変わった人もいなかった。残念。

もう歌舞伎町にはいくまい。

だが、浅草にもホストクラブがあって、そこの客層はマダムメインらしい。
そこだったら、異空間を味わいに行くのも悪い考えじゃないな。

二千円以内なら・・・・・・ね。

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