Monday, June 20, 2011

変な虫

今朝のことだ。

左腕の違和感で目が覚めた。

何か、ぞわっとするような感覚。そっと撫でられたかのような。

虫だということは考えるまでもなかった。

私にしては、すんなりと起きることができなかった。いつもなら、起きて一分後にはものを食べ、急いでいる時なら十五分後には支度を済ませ、家から出てしまえる体質だというのに。
こんなに眠気が居座っているのも珍しい。

ハエぐらいだったら放っておいて、再び柔らかな眠りの中へ沈み込んでいこうと思った。いや、もはやゴキブリでもかまなかった。彼らは見た目こそ悪いが、実害はない。先週も、赤い屋根の罠の中に六匹もの遺体を発見したばかりだ。嫌な話ではあるが、最近慣れてしまいつつあった。

違和感がなかなかおさまらないので、私は薄目を開け、左腕を見た。

肘の裏側で、見慣れない虫が一匹うごめいていた。

蜘蛛のようだった。それにしては体が小さく、肢がやたらと細く、やたらと長かった。どちらかといえばアメンボに近い。

だが、アメンボがよりによって、水辺でもない私のベッドにいるわけがない。

なんだかわからない。だが、しょせんは虫一匹だ。これで、脚のいっぱいあるおっさんか何かがベットにいたなら私だって大騒ぎをするかもしれないが、虫くらいならば、睡眠のほうが大事だ。

謎の虫を右手で払い落とし、猛烈な眠気に身を委ねた。

そして数時間後。

今度こそすっきりと目覚めた私は、先ほどの出来事を思い返してみた。

だがそれは、夢か、単に寝ぼけていたとしか思えなかった。あんなアメンボのような虫は、未だかつて見たことがないもの。

そして再びベッドに横たわり、左手の袖をまくってみた。

私は言葉を失った。

見事にかぶれていたのである。

当然ベッドから飛び起き、殺虫剤を取りに走った。

どうしようも無いくらいに気持ちが悪い。薬物中毒患者のように、体のいたるところに虫が這い回っているような錯覚に陥り、吐き気さえもよおしてきた。

やはり虫は私の敵だ。あれほど気持ちの悪いものも滅多にない。

今もあいつは、我が家のどこかに潜み、私をあざ笑っているのだろうか。

明日は絶対にバルサンをしてやるからな。

覚悟して待っているよ。

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