Wednesday, July 27, 2011

コートダジュール!













帰ってきて数日が経つが、コートダジュールでの出来事はまるで夢の中での事みたいで、まったく現実味がない。

それほど現実とはかけ離れていたということなのだろう。普段私が生きている世界は美しさを伴っていないから、せめて旅行中くらい夢をみていたい。

エネルギッシュな(猥雑で、あまり治安のよくない)場所に旅するのが好きな人もいる。

それはそれで楽しいのかもしれないが、私の性には合わない。

優雅に時が流れ、そこにいると体の水分が甘い蜜にでもなってしまいそうな場所に旅している時こそ、私は幸せを感じられる。ただの田舎者なのかもしれない。薄っぺらい人間なのかもしれない。別にそれで構わない。どこまでもノーマルな私、万歳!

どうでもいい話になってしまった。まあ、とにかく、コートダジュールは完璧だったんだ。

ブルーの海と空。乾いた空気が運んでくるオリーブの香り。明らかにこの土地は、太陽にえこひいきされている。

地中海を初めて見た時思った。

「こんなにきれいなものを知らずに、よく私は今まで生きてこられたな」と。

これまで何度も思ったことだ。これから何度も同じことを思うはずだ。

なんて幸せなことだろうか。

そんな「きれいなもの」がまだこの世には数えきれないくらいあるなんて。

この南仏でも、そのうちのいくつかに出会えることができるのだ。

旅行中はいつだって新鮮な気持ちになる。封を開けたばかりのスポンジみたいに、ぐんぐん物事を吸収できる。

小さい頃のように何を見ても楽しくて、新しい考えがいくらでも湧いて出てくる。

それが、おかしなことに、東京に帰って、日常に戻ると途端にそれができなくなってしまう。

労働に次ぐ労働。

だがそれは、生きるための労働ではない。

こうやって時々贅沢するための労働なのだ。

馬鹿みたいな話だ。質素に生きれば他の仕事だってあるのに。気楽に生きられるというのに。

けれども、心からくつろぎ、心から喜びに浸れる一瞬は何物にも代え難い。そのためなら、たとえ灰色の毎日でも、私は進んで消化してゆくだろう。

旅で味わう至福の時は、もう麻薬と言っていい。

しばらくの間は、私はこの麻薬に依存して生きることになるだろう。

行き着く先が地獄だとしても、そこが美しい場所ならかまわない。

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