Saturday, October 8, 2011

The Clock



ヴェネツィア・ビエンナーレは実に面白かった。いい意味でスケールが大きすぎず、ほどよい感じが時間に限界のある旅行者には有り難かった。

数ある作品の中でも特に気に入ったのが、この『The Clock』である。

作者は音楽家で美術家のクリスチャン・マークレー氏。

『The Clock』は、古今東西の様々な映画の中から時計に関するシーンだけを集めて、二十四時間という驚異的な長さを誇る一本の作品にしてしまったという、とんでもない代物なのだ。

映像の中と現実世界には、同じ時間が流れている。五時十五分には五時十五分のシーン、七時には七時のシーン、といった具合に。

芸術に関心のない人だって十分に楽しむことができるが、映画好きだったらなおさら楽しめること間違いなしだ。

知っている映画、知っている役者が登場すると、もうそれだけでわくわくしてしまう。

私が観た時も、スクリーンには007のショーン・コネリーが大写しになっており、足は棒のように疲れていたというのに、三十分以上も立ったまま見入ってしまった。六十代の母親もである。これはすごい。

夢中になったのは私たち母娘だけではない。アルセナーレ会場の中でもこちらは断トツの人気を誇っていた。

初めはそこまで長い間立ち見をするつもりなんてなかった。どうせすぐに席が空くだろうと思っていたのだ。だが、現実はそう甘くなかった。

体力と時間さえあればあと一時間は観ていたかったが、現実問題としてそうもいかない。

後ろ髪をひかれながら、他の展示へと移動したのだが、やっぱり後悔した。

もっと観ておけばよかったと。

そんな私に朗報が!!!

全然知らなかったのだが、もともと行く予定だったヨコハマトリエンナーレにも、この『The Clock』が出品されているというのだ。

これははるばる足を運ぶしかない。遠いといってもヴェネツィアよりはずっと近いのだし。

興味のある方は観に行ってみてください。

ちっとも小難しくなんかないですから。

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