心理テストなんて嫌いだった。どうせ当たらないに決まっているのだから。
だが、先日トライした「SM診断」は珍しく当たっていた。完全的中というわけでもないが、まあそれなりに当たっていたのである。
そんなことは初めての経験かもしれない。
「あなたはこういう人間ですよ」と決めつけられるのが何より嫌いな私。それが実際と違っているなら尚更。
心理テストなんて、自分がやるのではなく、他人にやらせるものだと思っていた。そんなわけで、小学生の頃は心理テスト作りが趣味だったくらいだ。
「SM診断」にしたって、当たっていなかったらイライラするだろう。イライラしたらカロリーを消費するし、ダイエットになるならば。というような軽い気持ちで挑戦してみたものだ。
よく当たったとはいえ、ごく普通の心理テストだ。
いくつかの質問に答えていく。
「人の髪型の変化に気づく」
う〜ん、これはYesだな。
「映画監督の意図を読み取るのが好き」
Yes。
だが、次第に質問は恋人関連に。
恋人はいないのでよくわからない。仕方がないから、親に置き換えて答えていった。
「恋人(親)に呼び出されたらちょっと無理をしてでも行く」
「恋人とのデートの約束はキャンセルできない(つまり、親との約束はキャンセルできない)」
どちらもNoだ。
そんなふうに進んでいくと、やがて診断結果にたどり着く。
結果は「オレルールなS」だった。
このタイプ、最悪な性格ではあるが、自分はおろか、他人までもが当たっている、と言っていた。
ちなみに、こんな性格だ。
普段のあなたがSっぽくないSです。あなたは結構気分次第で生活しているため、人にもに流されません。かといって他の人に要求したり、不満を感じることも少ないヒョウヒョウとしたタイプです。「自分は自分、人は人」。突っ込まないS。
あまりにも常識を無視しがちなので、若干ボケ系疑惑も浮上しています。
その気まぐれさに対し「ウケる!それ自己中すぎ〜!」などと突っ込みを入れても、ダメージはまるっきり受けないキャラ。
マイルールで生きているあなたの行動を、周りはなかなか読むことができません。
あなたも当然、相手の心理を読むことや駆け引きなどには、まったくうといタイプです。
いや、むしろ面倒ですよね、あなたには。
うん。確かにこんなだな、私って。
恋愛については以下のようなことが書いてあった。
オレルールなSは、自分のことを慕ってもらうことで恋人からの愛情を感じるタイプです。オレを見ろ!ってなります。
好きになってもらえる恋愛希望なオレルール。自分がマイペースに興味のあることに熱中することが、一番楽しいことなのです。
なので、恋愛でも自分を尊敬し、憧れてくれる相手を楽ちんに思うタイプです。
そりゃ、楽です。慕うどころか、あがめられています。
あなたのペースを大事にし、干渉しすぎないMタイプが理想です。
自分の理念を若干押しつける気があるので、それを受け入れたいぐらいほれ込んでくれる相手がいいでしょう。
ということらしい。
これは前例がないので、当たっているかは不明。親子関係に置き換えてみたが、別に当たっていないような気がする。崇められたい願望はない。責任重大で疲れそうではないか。
砕けた口調が気にくわない。もっとまともな言い方で説明してほしい。
まあ、もしもこの心理テストに従うのなら、私は絶対的に従属してくれる誰かと一緒にいたほうがいい、ということになる。
答えは簡単。
つまり、猿を飼うべきなのだ!!
猿のいる生活を想像してみた。なんて素敵なんだろう。
が、当たるのかもな、と思い、周囲の人にこのテストをやらせたら、思ったほどでもないことが次第に判明してきた。
たとえば、試した人の半数近くが「三歩下がるS」という結果だったという事実。
それなのに、私と同じ「オレルールなS」タイプは一向に出てくる気配をみせない。
世の中そんなに似たような人間ばかりだろうか?そして私はそんなに珍しいのか?
いや、そんなこともないだろう。
だいたい、私が本当にこのタイプかだって、考えてみたら怪しいものだ。
「プチ診断」の部分では、やたらと計画性がないと強調しているが、旅行等の計画を私ほど念入りに立てる人にはお目にかかった試しがない。
そもそも、性別を女性として入力したはずなのに、男性の診断結果というのはおかしい。他の人たちのタイプは「オレルールなS」のように、性別がはっきりしてはいなかった。
やっぱり当てにならないに決まっている。的中していた部分なんて、しょせんはまぐれだったのだ。
このアプリに何がわかるというのか。いくつもの「どちらでもない」を、無理してYesかNoで答えたのだ。そで正確な判断ができるわけがない。
自分の性格は自分で決める。決めつけられるなんて、まっぴらだと初めにも言ったではないか。
う〜む、やっぱりこういうところが「オレルール」と言われる原因なのだろうか。