Sunday, February 12, 2012

AKBカフェ





いくら私のように頑固な人間だって、時には話題のスポットに行きたいというようなミーハー心は持っている。
メイド喫茶も男装執事喫茶もフーターズもコーヒープリンスも行った。どんな場所なのか気になったというよりも、どんな人が来ているのかが気になって仕方なかったのだ。
あのAKBカフェにはどんな人たちがどんな目的で来ているのだろう?ウエイトレスはやっぱりかわいいのだろうか?
さすがに女一人で行くわけにはいかなかったので、知人男性に無理矢理同行してもらった。山谷には女二人で行けるのに、AKBカフェは照れくさかった。我ながらどんな基準だよ、と思う。

実を言うと私は彼女たちになかなか好感を持っているのだ。テレビをつけた時に偶然映っていてもチャンネルを変えない数少ない今の邦楽歌手だ。まあ、そもそも彼女たちが映っていそうな民放にチャンネルを合わせることなど滅多にないのだけれど。

初めてAKB48を知ったのは数年前、『アメリカン・アイドル』のサポーターをやっていた時だった。私が最も面白いと思っている番組の一つだ。FOXを見ていると『制服が邪魔をする』とプロアクティブのやたらと高音の音楽がしつこいくらいに流れていて、すっかり脳内に擦り込まれてしまった。

その時はそれほど有名ではなく、モーニング娘。の二番煎じくらいとしか認識していなかったのだが、その後めきめき成長して、現在のような地位までのし上がったのはご覧の通り。

彼女たちをここまでにしたのは、よく言われているように、プロデューサーの徹底的な資本主義のおかげかもしれないが、私はそういうところが好きなのだ。

会いに行けるアイドルとはつまり、金を落としたくなるアイドルのことだ。

私も貢献したくなったが、CDには特に興味が持てなかったので、客層の気になるカフェに行ってみることにしたのだ。

隣のガンダムカフェに後ろ髪をひかれたが、今回の目的は中年男性のアイドルではなく、今現在の国民的アイドルのほうなのだ。

店内の雰囲気はなんとなく見覚えがあった。ピンクを基調とした内装は以前山谷の帰りに観光した吉原のカフェとどことなく似ていたのだ。怪しげでなかなかいい感じだ。

歌広場のものとそっくりなメニューから、ウーロン茶と篠田麻理子カレーというものを頼んだ。前田敦子オムライスと迷ったのだが、カレーのほうが味の想像ができなかったので実際食べてみなくてはと思ったのだ。

ウーロン茶と一緒にコースターが運ばれてくるのだが、これはくじ引き風になっている。一枚だけ引くのだが、誰の顔が入ったものが出るかは引いてみなければわからない。

私も知人男性も見た事の無いメンバーのものを引き当ててしまい、少しがっかりした。ドリンク一杯が五百円。コースターは一杯に一枚限り。みんなビックリマンチョコのごとく何度も注文し、飲み物は残してしまうのだろう。

ああ、やっぱり金がかかるのね。

そして、間もなくカレーが運ばれてきた。お味はというと……。

まあ、あんまり高くないレトルトカレーですね。お世辞にも味わい深いとは言えない。ライスもコンビ二弁当のよう。それだけならばまだよかったのだが、なぜかトッピングにチョコレートと生にんじんが!

名前を貸してしまった篠田さんが気の毒になる味だった。彼女の作った料理はもっと美味しいと思う。

しかし、人間観察は想像通り面白かった。

アルバムやスクラップを広げる少年たちの姿は微笑ましい。彼らはきっと学校では地味なポジションにいるのだろう。わかるよ。私も同じポジションにいたのだから。
そういう生徒にとって学校生活はつまらないものだが、時々はお小遣いやバイト代をやりくりしてAKBカフェにやって来て、仲間たちと好きなだけ情報交換をできる時間があるから、彼らは学園のヒーロー(主にスポーツで優秀な生徒たち)と同じように青春を謳歌できるのだ。

大人のAKBファンたちにとっても、ここは貴重な場所なのだろう。なぜなら普通のレストランやカフェでは、数々の資料を持ち寄りメンバーたちへの愛を語るのには不向きだからだ。

隠れファンでも堂々とファンを公言できるのは、この場所ならではだ。

私もAKBにはそれなりに好感を持っていたのだが、ここに行ってみて、別にファンではなかったのだと思い知らされてしまった。





3 comments: