Thursday, March 22, 2012

バイアグラ体験記

人生に退屈していたからかもしれない。それとも血の巡りがよくなればむくみが取れると思ったのかもしれない。自分でも、バイアグラを飲むことにしたはっきりとした理由はわからない。
俗っぽい言い方をするのなら、「バイアグラがそこにあるから」と答えてもいい。
そう、おそらくは単なる興味本位からだったのだ。
入手経路は私にしては大胆なものではない。たまたまバイアグラを持っていた知人に頼みこんで分けてもらったのだ。以前から興味がなかったわけではないのだが、怪しげな通販サイトで自ら注文するだけの勇気はなかったのだ。

25mg、50mg、100mgと三種類あるらしいのだが、私が試してみたのは中間の50mg。まあ、薬の効きづらい人間が初めて試す薬としては、それくらいが妥当なところだろう。

ご存知の方もいるだろうが、バイアグラは青い楕円形の錠剤で、見た所ハルシオンを大きくしたような感じで、私には親しみの持てる外観だった。
性的興奮があることは期待していなかった。そもそもバイアグラは興奮剤ではなく、性器に血を集めるものである。女性にペニスはないけれど、陰核には似たような症状が現れてくれるだろうと私は考えた。何だか少し痛そうだけれど、自分の陰核がそういった状態になっていることを見る機会というのは滅多にないので、珍しいもの好きとしては興味を抱かないわけにはいかなかった。それに、冒頭でも申し上げた通り、血行が促進されればダイエットに効果があるようにも思えた。極度の冷え性、むくみ体質の私は、薬用養命酒のような効果を期待したのである。

薬を飲み込んで小一時間。私は期待に胸を躍らせながらトイレに駆け込んだ。可哀想な陰核は、自分が試されている状況は知らず、ぐっすりと眠ったままだった。起こしてみたけれど、それも徒労に終わった。
だが、そこで私は思わぬところが疼いているのに気がついた。
歯が痛い。たまらなく痛いのだ。
じんじんという音が聞こえるようだった。これがバイアグラの効果だろうか。私の虫歯の周りに血液が集まっていた。
痛みと戦いながらも、私は小躍りしたい気分だった。バイアグラを体に効かせることができたのだ。歯だって性器と同じで体の末端には違いない。
私はちゃんと薬が効く人間だったのだ!
花粉症の薬がいまいち効いていないことだって気のせいだ。現にこんなに歯が痛むではないか。

もう一人の私が「バイアグラではなくて虫歯のせいだよ」とつぶやいたが、この際それは無視することにした。

いやあ、いい経験になりました。下さった方、ありがとうございます。






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