Monday, June 25, 2012

セルフ・ブリーチ

左でも右でもいい。上でも下でもいい。とにかく、生地の半分(もすくは三分の二)にブリーチがかかっているデニムが欲しかった。


 こんなのとか、








こんなのとか、




こんなのとか、






こんなのとか。






 買ったとしても日本円で四千円しないくらいなので、送料を入れたとしてもたいした値段ではないのだが(ETSYなら送料も格安)、どうも踏ん切りがつかない。
 以前からこういった色味には惹かれていたので、すでにZARAで似たようなものを購入済みではある。が、どうもブリーチ具合が物足りない。もっと大胆に漂白されていないとだめだ。


 よその人はどうしているのだろう?そう思って、いろいろな単語で検索にかけてみたところ、なんと自分で漂白している人が多いとのことだった。


 デニムのセルフ漂白なんて、貧乏で、学生かギター野郎で、長髪で、コンビニかどこかでバイトをしていて、時々麻雀とパチンコをして、カップ麺を作る時はきとんと三分待つような喫煙者が、ユニットバスの風呂場でせこせこやるものだとばかり思っていた。 長髪だが、ごく平均的な経済状況で、学生でもなく、ギターもひかず、コンビニの店員でもなく、麻雀もパチンコもせず、カップ麺は二分ほどでふたを剥がしてしまう、禁煙支持者の私がやるなんて、昨日までならば、たとえ夢でも考えはしなかっただろう。 だが、人の気持ちというものは不思議なもので、少しの期間でも嘘のように変わる。一国の総理大臣の発言でさえそうなのだから、一般人である私の気持ちなんぞ、天気のように移ろいやすい。


 デニムの漂白ひとつ自分でできないなんて最低だ! これが、今の私の意見である。 


そんなわけで、早速洗濯用漂白剤と洗面器を用意し、ゴム手袋をはめて、浴室で作業に取りかかった。


 洗面器に液を注ぐと、うっとりするような匂いが浴室内湿気をいい感じに吸って充満する。 デニムを半分だけ液に漬け込んだそのあとは、この幸せな時間を胸いっぱい吸い込むことにしばし集中する。


 塩素!ああ、なんて素晴らしい匂い!! 小学校のプールを思い出す。


生理がはじまり、プールをサボりだす前の無邪気だった頃。ビニールバッグに、雑誌の応募者全員サービスにワンコインを送って手に入れたポーチ、石鹸のコロンに、初めて自分専用を買ってもらった目薬。 


懐かしく懐かしく悲しくなる。 


数十分でいい感じに色が抜ける。水を切って、乾かして、いざ試着。 うーん、色合いはなかなかなのだが、どうも丈が長い気がする。 というわけで、ハサミで少し切って、裾をほつれさせてから、再度試着。 理想とは違うけれど、それほど悪くはない。 が、重大なことに気がついてしまった。 せっかくのDIYデニムなのに、すでに持っているZARAのものにそっくりなのだ。
我ながら、よくこんなに似たものを作れたなって感心するくらい。


ああ、こんな結果になるのなら、左右のどちらかだけを漂白すればよかった。 


やっぱり、通販で買ったほうがいいのかもしれない。 



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