Monday, July 9, 2012

タイ!







最初のハプニングは、旅行の前日からはじまっていた。

急性の胃腸炎である。

どうやら私は槍を持った小人を大量に飲み込んでしまったらしい。少なく見積もっても二十人くらい。

彼らはその小さい槍で、内側から私をちくちく刺した。シフト性ではないのだろう。全員が全員同じ時間に働き、同じ時間に休憩をとったはずだ。痛みには波があった。

ピークは成田へ向かうバスの中で、いっそこのまま事故に巻き込まれたら楽なのにとまで思った。

幸い空港に着く頃には、小人は数匹を残して死滅したみたいだった。


だが、ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、新たなる災難が私を襲った。

ソフトバンクショップの人間が苦手というだけの理由で、私はauのiPhoneを使っているのだが、なんと、タイでのパケット通信定額サービスが六月末をもって終了してしまうらしいのだ。

もう三十分早く気づいていれば、mifiをレンタルすることだってできたのに、搭乗二分前ではいくらなんでも遅すぎる。

ホテルでしかネットに接続できないなんて、死ねと言われたも同然だ。そして、もっと最悪なことに、ホテルのwifiまでもが不調だったのである。

不幸はそれだけでは終わらなかった。

滞在二日目にして、カメラが壊れてしまったのだ。潮風にやられたのか、ロングテール・ボートでさんざん水しぶきを浴びたからなのか、原因ははっきりしない。だが、これだけが言える。カバーは大して役に立たなかった。

小型カメラも予備として持ってきていたので、余計な出費は免れたのだが、あまりにもショックが大きすぎて、頭からパンと破裂してしまいそうだった。

ストレスはとっくに重量オーバー。またもや小人が急激に繁殖しはじめた。

以前ビューティー雑誌に載っていた言葉で、すごく好きなものがある。

「思い通りの毎日がやってこないのなら、せめてフライドチキンくらいは好きなだけ食べなくちゃ」

記憶が定かではないのだが、こんなことを、確かリズ・テイラーか誰かが言ったと書いてあった。

まったくだと思う。

しかし、今回はそれすらできなかった。

フライドチキンはいくらでもあった。それ以外の好物だっていくらでもあった。

だが、医者に言われたのだ。旅行中も消化の良いものを食べてください、と。

天気さえよければ、ただ自然と戯れているだけでリフレッシュできるのに、あいにく外は連日の曇り空。



残るストレス解消法はただ一つ。ショッピングだ。

タイは意外とコスメ大国なのだ。欲しいものは無限にあった。

近いうちに戦利品を紹介しようと思う。

正気じゃない量を買い込んだおかげで、小人はほとんど消えてくれた。

だが、今改めてカードの利用明細を見てみると、また何人かが槍を念入りに磨きはじめたような気がしてきた。

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